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社長日記

2005年2月24日(木)
リッツ・カールトン・ミスティーク

お世話になっている皆様,いつもありがとうございます。
先日の“エンパワーメント”と題するメールにて「顧客満足は,従業員満足から」と書きましたら大反響をいただきました。
すべてのメールの返事を書けていませんが,お許しください。
しかしご意見をいただくことは,とてもうれしいものです。
今後もお待ちしています。

さて,愛媛県Tさんより以下のメールをいただきました。
Tさんは建設会社でISOの担当をされていましたが,その後ISOに惚れ込んでISOコンサルタントとして活躍されています。

「愛媛県のTです。

私は,18歳の時に銀行に就職して,常に顧客満足のことを感じて仕事をしていたこともあり,退職した今でもそのときの熱い思いがなかなかぬけられません。
喫茶店や,食事に行くレストラン,どこに行っても何かしら観察をしてしまい,くつろげないでいたりするのであります。

銀行時代も厳しくはありましたが,ホテルのスタッフはその点において,銀行よりもまだ上の教育を受けているということを何年か経って聞き,今では出張や,旅行の度に少々出費をしても勉強のためだからと評判のホテルに宿泊するようにしています。

リッツカールトンはまだ私は経験がなく,機会があればぜひ利用したいと思っています。
あるバラエティ番組で,今回のリッツのお話を「とてもびっくりする話」的にとらえれていました。
あるリゾート地のリッツカールトンのプライベートビーチではいつもパラソルと椅子が並べられていますが,夕方にはスタッフが片付けます。

あるとき,片付けているスタッフに1人の顧客が話しかけ,椅子を2つ残しておいてもらえないか,と依頼されました。
今夜,夜の浜辺で彼女にプロポーズするつもりなんだ,と。

そのスタッフは「承知いたしました」と快諾し,その後椅子を言われたとおりに2つ残しておきました。
それだけなら予測できることですが,驚いたことにその後そのスタッフはひざまずいてプロポーズするとき膝がよごれないように砂浜にマットをしき,テーブルをだし,花を飾り,プロポーズがうまくいったときのためにワインクーラーとワインをセットして彼なりの演出をしたのです。

見事プロポーズは成功し,プロポーズの思い出とその演出に感動したこととで,今でもその夫婦は毎年そこを訪れる上顧客であるということです。
その番組でリッツカールトンのスタッフには1人1人にある程度までの決裁権が与えられているということを知りました。
今日のお話でまた少し知識が増えてうれしいです。
心が震えるような顧客が感動する話を聞くと私自身感動し涙が出ます。
今は顧客満足よりも顧客感動の時代だと私は思います。
どんなに不景気でも,顧客感動を得られたお客様は惜しみなくお金を払ってくれると私は思っています。

メールいつも心に響いています。
いつもありがとうございます。
またメール致します。 Tより」

「リッツ・カールトン・ミスティーク」(リッツカールトンの神秘性)という言葉があります。
神秘的なまでに徹底した,そして心をこめたサービスが行われているということです。

私の会社は,製造業だから,建設業だから,ホテルの事例は関係ないとおっしゃる方もいるかもしれません。しかし,異業種から得た「知識」と「情報」を,「知恵」に変える能力が今こそ重要です。

顧客満足は奥深いです。

2005年2月21日(月)
エンパワーメント

お世話になっている皆様,いつもありがとうございます。

「リッツカールトン大阪」は「ダイヤモンド誌」で「関西ナンバーワン」,「日経ビジネス誌」で「大阪地区総合1位」に輝く,すばらしいホテルです。

ナンバーワンの秘訣を探るとたくさんの気づきがあります。

リッツカールトンのスタッフは,「ザ・リッツ・カールトン・ベーシック」を携帯しています。
これには,20項目のスタッフ行動指針が記載してあります。
スタッフは,毎朝このベーシックを読みあわせ,実際の行動がずれていないかを確認しています。

ベーシックの10番目,13番目に,次のように書かれています。

「従業員一人一人には,自分で判断し行動する力が与えられています(エンパワーメント)。
お客様の特別な関係やニーズの対応に自分の通常業務を離れなければならない場合には,必ずそれを受け止め,解決します。」

「お客様を一人として失ってはいけません。
すぐにその場でお客様の気持ちを解きほぐすのは,従業員一人一人の役目です。
苦情を受けた人はそれを自分のものとして受け止め,お客様が満足されるよう解決し,それを記録します。」

つまりリッツカールトンでは,お客様の問題やご要望に対し,すべて自分のものとして受け止めなければなりません。
そして大切なことは,自分自身で解決する力(エンパワーメント)が与えられているということです。
このようなトラブルが発生したときのために,スタッフ一人当たり20万円の決裁権が与えられているのです。

リッツカールトンの従業員は次のように語ります。
「任せられるということは責任重大ですが,逆に仕事のやりがい,満足感につながっています。従業員が満足しているからこそ,顧客満足につながるサービスをすることができるのだと思います。」

顧客満足と従業員満足との関係を,今後何回か考えてみたいと思います。

2005年2月14日(月)
壁が見えるまで,がんばる

お世話になっている皆様,いつもありがとうございます。

本日は,「技術士」受験対策説明会を開催しました。
たくさんの方が,熱心に参加されました。

受験講座を主催しているのは,社団法人愛知県経営科学協会(通称AKK)という非営利組織です。

AKKは,1984年より技術士受験講座を始め,会長の三好正義さんの熱意で,22年間継続して講座を開催し,多くの技術士を輩出しています。
私自身も,この講座のおかげで,技術士となった一人です。

私は1995年以降,技術士受験対策講座の事務局をしていますが,いまだに忘れられないご受講生がいらっしゃいます。
Iさんと言われます。
Iさんは地方公共団体を定年退職後,60歳を過ぎてから,技術士受験対策講座に参加されました。

しかし努力の甲斐なく,1年目,2年目と連続して不合格でした。
ほとんどの方は,年齢的なこともあり,この段階で受験そのものをあきらめるのですが,Iさんは決してあきらめませんでした。
チャレンジを始めてから3年目も講座に参加され,見事に合格されました。

Iさんに対して,「どうして,そんなにがんばれるのですか」とお聞きしたところ,次のような返事が返ってきました。

「まだ前に壁が見えなかったからです」

続いてこういわれました。

「公務員在職中,管理職試験の受験準備をしているとき,徹底的に勉強したのです。そして,もうこれ以上勉強することが見つからないという“壁”に当たったのです。それ以来,もうこれ以上前に進めないという“壁”が見えるまでは,勉強することにしているのです。」

『少なくして学べば,すなわち壮にして為すことあり。壮にして学べば,すなわち老いて衰えず。老にして学べば,すなわち死して朽ちず。』

(少年のときに学べば,壮年になって名をのこすことになる。壮年のとき学べば,老人になっても精神的に衰えることはない。老年になってもなお学べば,死んでもその名は朽ちることはない)(佐藤一斎)

人は,「あきらめるか,チャレンジするか」の選択をいつもしているのだと思います。そのときに,どちらを選択するかで,人生そのものが決まってくるように思います。

Iさんには,今でもたくさんのことを教えていただいていますし,もっとも尊敬している方のお一人です。
二度とない人生ですから,Iさんに負けないように「チャレンジ」し続けたいものです。

2005年2月9日(水)
「いつもお早いですね」

お世話になっている皆様,いつもありがとうございます。

私は,朝,名古屋駅地下街のパン屋さんにより,パンと牛乳を買って会社に行くのが日課になっています。6時30分頃に開いているパン屋さんは,地下街には2件しかありません。
1件は比較的安く(1個80円くらい),品数の多いパン屋さん(A店),もう1軒(B社)は比較的高い(1個120円くらい)のですが,個性的なパンを揃えています。
私は,A店,B店を交互に利用していました。

ところが,今から約1ヶ月前の朝のこと,B店でパンを買ってレジでお金を払おうとしたら,
「いつもお早いですね。いつもお買い上げありがとうございます。」と店員の女性がいうのです。

私は,私の顔を覚えていてくれたうれしさで感動して,
「あっ,あっ,ありがとうございます。」

その後はB店のみを利用しているのはいうまでもありません。
お客様はお金で動くのではないのだなぁと実感します。

「リッツカールトン大阪」は「ダイヤモンド誌」で「関西ナンバーワン」,「日経ビジネス誌」で「大阪地区総合1位」に輝く,すばらしいホテルです。

リッツカールトン大阪を何年かぶりに利用して,フロントに顔を出すと,「○○様,いらっしゃいませ」と名前で呼ばれるのです。
なぜ数年ぶりの利用なのに名前を憶えているのだろうとお客様は驚き,そして感動します。

これには理由があります。
最初にお客様を迎えるドアマンは,イヤホンとレシーバーを持っていて,荷物についているタグ等でお客様のお名前を確認し,フロントに連絡するのです。フロントでは,それを聞いてすぐにキーを用意します。ベルマンは,そのやり取りを聞いていて,荷物を迅速にその方のお部屋に運びます。

このように,お客様満足度を徹底するには,仕組みと報連相の徹底が欠かせません。

パン屋さんのB店には,どんな仕組みがあるのだろう?それとも私に気があるのかな?(そんなわけないか)

2005年2月6日(日)
ピンときたら報連相

お世話になっている皆様,いつもありがとうございます。

先日はM社様にて「報連相(報告・連絡・相談)セミナー」を開催しました。
M社の社員さんはとても熱心で,素直にご参加くださいました。
同じお話をしても反応は企業様ごと異なるものですが,M社様の社員さんは吸い取るように知識を吸収されている感じをうけました。
M社長様の「勉強好き」が社風になっているのだと感じました。

報連相セミナーを開催すると毎回寄せられる質問に,以下のようなものがあります。
1)誰にどの程度の情報を「連絡」すればよいのかが,判断できないことが多いです。
→連絡しようかどうかと迷ったのなら(ピンと来たのなら),迷わず連絡すべきです。
その「ピン」と来る感性が「報連相」には欠かせません。

2)部下が私に「相談」せずに実行して,後で問題になってから「報告」に来るので困っています。
→部下が「相談」しないのは,あなたから部下への「報告,連絡」が少ないのが原因です。
部下は,「相談しようと思っても,外出ばかりで席にいない。相談しても,話を聞いてくれない。相談しても明確な返答をしてくれない。」と思っているのです。

3)部下が,命じたことしか実行せず,創造性を発揮しません。
→あなたの仕事の伝え方が,「指示」ではなく「命令」になっていることが原因です。
「指示」とは,仕事の目的と概要を伝えること。
「命令」とは,仕事の内容を5W2Hを用いて具体的に伝えること。
あなたが部下に,仕事の目的を伝えていないために,部下は「命令」されたことしかやりようがないのです。

報連相とは,必要な情報を必要な人に伝えることです。
この必要性の判断基準が様々であるために,組織内で問題が発生します。

あなたにとって必要でない情報も,人によっては,必要になります。
また,あなたにとってあの人には,この情報が必要ないと思っても,相手の立場に立つと,必要なことがあります。

このためには,ピンと来る能力が必要です。
「ちょっと相談したいなぁ」と思ったときに,いつも目の前に現れる上司がいませんか。
「あの件どうなったかなぁ」と思ったときに,報告に現れる部下がいませんか。
このような方には,ピンと来る能力があるのです。
いやぁ,私にはピンと来る能力が欠けているなぁ,という方。
そういう方には,とっておきの名案をお伝えします。

特に用事のない人に「会話,電話,メール,はがき」を実施することです。用事がないので,電話にしてもハガキにしても,相手のことを考えないことには書いたり話したりできません。
用事がある→会話,電話,メール,はがき
の流れでなく
会話,電話,メール,はがき→用事を考える
と逆にするのです。
ぜひお試し下さい。

2005年2月3日(木)
森から川そして海へ

お世話になっている皆様,いつもありがとうございます。

本日は,名古屋市K小学校で,小学4年生に授業をしました。
総合学習の一環で,春と秋に「環境学習」をしています。

「好き嫌いをして,おかずやごはんを毎日残す人は手をあげて!」
「歩いていけるところなのに,お父さんの車で出かけている人は手をあげて!」
お兄さんやお姉さんのお古の洋服を嫌がっている人は手をあげて!」
小学校4年生は素直ですので,正直に手をあげます。

今回は,「森から河,そして海へ」と題し,自然環境の大切さ,そして危うさをお話しました。
「このままの生活を続けると,2040年には,地球上の種は絶滅する!」
と私がいうと,子供たちは悲鳴をあげ,
「もう好き嫌いや,お古の洋服を嫌がることはしません」
と真剣な目で話してくれます。

躾には「つ」がつく間にしないといけないといいます。
ひとつ,ふたつ,みっつ,よっつ,いつつ,ななつ,やっつ,ここのつ
つまり9歳までです。
「つ」がつく間に身についた良い習慣は,一生忘れることなく,財産になるのです。

ひるがえって,人は社会人になってから,たくさんのことを学びます。
しかし,最初の9年間に厳しく教えられた人と,甘やかされて育った人とは,その後の伸び方が全く異なることに気づきます。
社会人としての躾をされているかどうかで,人間の価値さえ異なってくるように思います。

会社は学び舎です。学び続ける環境を作っていきたいものです。