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生の迫力

 先日、ライブハウスに出かけ音楽を聴いてきました。私は、学生時代にバンドを組んでいたこともあって、生バンドの音を聞くことが好きです。
  この日は、黒人の女性がやはり黒人のバンドをバックに熱唱していました。ステージが半ばをこえたころ、その女性ボーカルがステージを降りて、観客の中に飛び込んできました。そして私の席の近くに来て、その場で歌い始めました。私は、急に胸が高まりました。歌詞の一言一言が胸の中に染み込んできました。小柄な女性でしたが、目の前に現れると、とても大きく感じました。

 私は社長には、二通りあると感じています。
遠くから見ると大きいけれど、近くにこられると小さい社長。そして、遠くから見ると小さいけれど、近くにこられると大きい社長です。この大きさの対象は存在感です。
  特に、目の前に来ると存在感が大きい社長は、社員はもちろん、お客様の懐にどんどん入ってくるのです。声は決して大きくないけれど、作り物でない「生」の迫力を感じます。

 ISO9001;2000 5.1項に次のような要求事項があります。
「トップマネジメントは、法令・規制要求事項を満たすことは当然として、顧客要求事項を満たすことの重要性を組織内に周知すること。」
  ISOの外部審査では、審査員は、社長が社員さんに上記内容を「周知」させているかを確認しなければなりません。

 外部審査において、社長の言葉と全く同じ意味の言葉を話す社員さんがいる会社に出会うことがあります。品質方針を自分の言葉で解説する社員さんがいる会社もあります。そのような会社の社長からは例外なく、前述の黒人ボーカリストと同様「生の迫力」を感じます。
  顧客・従業員満足は“生”から生じるのです。

writer
降籏 達生 (土木屋・技術士)
主な仕事
ISO取得支援/ 技術支援/ 経営支援
カンタンプロフィール
マラソンが趣味。声が大きい!

若手・中堅現場マンのプロへの道

第7回 工事のヤマ

 施工計画を作成しながら、工事状況を頭の中に思い浮かべられますか。またどんな段取りをしておけばいいのか、工事のヤマはどこにあるのか、を事前に的確につかむことができますか。

 昔から「段取り八分」といいます。作業のよしあしは、80%段取り次第ということです。
工事全体にも同じことがいえます。ISO・7章でもある施工計画は何のためにつくるのでしょう。施主側に提出するのが目的ではありません。前もって工事を頭の中でシュミレーションするためなのです。これをいい加減にしてしまうと、施工途中で大きな失敗をしてしまったりします。工事のヤマを知り、事前に対策をしっかりしておいても、不慮の事態が起こることもあります。変化する現場状況を乗り切るためには、本音の施工計画を自分用と会社用に作成しておくのです。(工事進捗表など)

 「計画と施工は別の人にすればいいか、同一人物にした方がいいか」という問に対して、現場マンの7割の人が計画した人が責任をもって施工したほうがいいと答え、3割の人が計画した人の内容を理解した別の人が施工した方がよいと答えるのだそうです。
  理由は「1人より複数の方がミスが少なくなる」、「計画案をもとに代替案などが出てくる」「複数で考えた施工をお互いぶつけ合える」なのだそうです。

 普通は工事担当者が施工計画をつくり、工事を遂行するパターンが多いです。別の人が標準計画をいちいち作っている余裕がないからです。だから着工にあたり経験者の知恵を出し合うために施工検討会などを開きます。
  プロの現場マンになれば、他の人の施工計画を見たときに、すぐ、どこに工事のポイントがあるか理解できるはずです。安易な計画、不確定要素の見落とし、アドバイスなどを工事担当者に伝えなければなりません。

 自分の現場は自分が一番よくわかるといいます。反対に盲目的でもあり、計画のチェックを頼まれた時、その現場の問題点や対策などを正しく評価できるか、プロの現場マンとしての能力が必要となります。

writer
三浦 規義 (建築屋・VEL)
主な仕事
VEコンサル/ ISO取得支援

恩を返す

 先日、とある大手スーパーに行ったときのことです。トイレで、たまたま、5歳ぐらいの男の子と連れションとなりました。ちょうど、同じぐらいのタイミングで手を洗い終えると、男の子はハンカチを持っていなかったとみえ、濡れたままの手を前方に突き出しながら、外にいる姉に「おねーちゃん!おねーちゃん!」と、助けを求めました。
  けれども、そのおねーちゃんもハンカチを持っておらず、姉弟二人そろって困惑していたので、「はい、これを使いなさい。」と、私のハンカチを差し出しました。弟が懸命に手を拭いているそばから、小学校3,4年生ぐらいのおねーちゃんは、「どうも、ありがとうございます!」と、私に対して、にこやかにお礼をいってくれました。

 さて、ISO規格では、教育・訓練の要求事項があります。特に、『製品品質に影響がある仕事に従事する要員』には、必要な力量をもてるように教育・訓練せよ!と要求しています。教育・訓練には、何らかの資源(人・物・金・情報など)が必要になり、かつ、時間もかかりますから、『会社から給与をもらって勉強できる』ことは、従業員にとって、誠にありがたい規格(システム)といえるのではないでしょうか。

 では、こうして得られた力量・ノウハウをどこにお返しするのか?それは、当然『我が社のお客様』です。培った力量で、お客様に喜んでいただき、お客様から報酬をちょうだいし、会社の業績を支えます。それは、ひいては、社会に貢献する行動であるともいえるでしょう。永田町の常識!?である「金と物で返す」のとは、大違いですね。

 冒頭で述べた姉弟が、ハンカチがなくて困っている人を見かけたら、なんのてらいもなく、ハンカチを差し出せる人になってくれたらうれしいのですが。。。

 あぁ!そうです。自分が受けた教育を、会社の『後輩たちに返す(還元する)、後輩を育てる』というのも、立派な「恩返し」の一つですね。

writer
小林 俊文
主な仕事
ISO 取得支援
情報技術(IT) / 導入相談・支援
カンタンプロフィール
スポーツ好き

ISO認証取得物語
第6回 苦しかった思い出の分析

 品質マネジメントシステム 要求事項 JIS Q 9001(ISO9001)の内容に合致した品質マネジメントシステムを構築すれば、ISO9001を認証取得することができる。
  「品質マネジメントシステムを構築する」とは、品質目標を定め、業務の手順を決め、その決められた通り行われているかどうかを管理することで、このことが品質保証であり、品質向上をめざすものらしい。

 業務の手順(=過程=プロセス)は経験によりまたは技術により、場合によっては規則等によって決められる場合がある。また、ISOでは手順をプロセスとよび、一連のプロセスをシステムとして適用するとき“プロセスアプローチ”と規格文書に書かれている。
  要するに、業務の流れを確実に守り、その時々において担当する個人あるいは部署が、それぞれの責任と権限を守ることだそうである。

 ここで、プロセスアプローチを文書化したものとして「業務フロー図」もその一つであると教えられた。通常、どのような企業においても「業務フロー」は確立しているはずであり、そうでなければ、業務を遂行できない。つまり、「図化」できていなくても「システム化」はできているというのである。ここでシステム化できているはずの「業務フロー図」の作成が始まった時を思い起こすとどうも思うようにまとまらなかった。業務の流れを複雑に考えすぎる傾向があったようだ。

 業務フロー図の作成方法は、とにかくシンプルにまとめることが第1条件であった。誰が見てもわかるようにするには、業務内容、担当部署を分けて作成し、フロー図とは直接関係のない、異なる部署によるチェックを行なえば良い。このあと、組み合わせあるいは省略できるフローを検討すれば良い。

 最後に「業務フロー図」に必要な入力データ、品質管理する上で必要な項目を、ISOの規格に基づく記録となるように帳票を作成あるいは既存の資料を整理すれば良い。ここまでくれば、品質マネジメントシステムの構築は半分が終わったようなものであった。

 今になって考えてみると、何が、どうして、苦しかったのかも不思議である。これからISO認証取得をめざす企業の推進委員になる方に、何か参考になるだろうか。

writer
山本 寛 (技術士)
主な仕事
ISO取得支援
カンタンプロフィール
「頑固者」!と人は言う

二人の社長の言葉

「あっ、それ使える。すぐやってみる。今度会社に来たときには変わっているよ。」

 自動車パーツメーカーの社長の言葉です。その方は、脱サラをして、ゼロから自動車業界に飛び込み、現在では日本や海外に4200箇所の販売網を持つ企業を作り上げた人です。その様な偉業をなした方が、他業種のかけ出しコンサルタントの話を真剣に聞き、討論し、可能性のあることは素直に取り入れる。確かに、数々の壁を乗り越えてきた方だけあり、激しさを感じますが、その激しさの中に見えかくれする謙虚さと勤勉さが今の会社を作り上げたと思われます。さらに特筆することは、「早い」ということです。やると決めたら即かかる実行力は感動すら覚えます。

 現在この社は、電気自動車を自社で開発、社運を賭けて普及に取り組んでいます。なお、この社長には4月の「ひと倶楽部」(異業種交流会)で講演していただきます。ご興味のある方はご連絡ください。

「私の仕事は、捨てることです。」

 これは、優秀な住宅ビルダーの社長の言葉です。この会社は、この時代にあって、営業マンなしで、お客様が列をする仕組みを作り上げました。その社長に話をうかがうと、自社が勝ち残るには、良い仕事をし続けることであり、その為には人材や時間、お金などの資源を集中させる必要があります。つまり、仕事を選ぶ必要があるわけです。仕事を選ぶということは、仕事を捨てるという危険で勇気のいる行為が必要となり、その決断は社長の仕事であるとおっしゃいました。このことは不景気になると忘れがちの事ですが、このような時代こそ、他社との差別化のためには大切なことと感じます。今は亡き法隆寺棟梁 西岡常一氏は宮大工であり続けるために、神社の仕事がないときでも一般大工工事は一切やらなかったといいます。

writer
井手 徹 (建築屋・建築士)
主な仕事
情報化支援/ISO取得支援
カンタンプロフィール
オフはバイク乗り。凝り性

【編集後記】
先日、ディズニーシーに行ってきました。わからないことなど、どのキャストに聞いてもだいたい答えが返ってきて、「ちょっと担当の者に確認を…」などというキャストはさすがに一人もいませんでした。さすが!!でした。名物の”塩のアイスクリーム”を明日どうしても食べたいが、どこに売っているのか?!という友人の質問にも、わざわざ、電話をかけて調べてくれました。翌日、教えてもらった場所でめでたく”塩のアイスクリーム”をゲットできた友人はとても、満足そうでした。(武馬)