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実施報告

ひと倶楽部 2月定例会 実施報告

2月4日(金)、ウィルあいちにてひと倶楽部2月定例会を開催いたしました。
スピーカーとして,中村完二さんに「これからの経営,想いの持つ力」と題し,
お話いただきました。以下に,感動の講演の概要をお届けします。

■はじめに(ご本人より自己紹介)
  私は,大学卒業後,株式会社ダイエーに入社し,採用と教育の仕事を担当していました。27歳の時,社員教育を行なう会社に転職,講師として,順調な毎日を過ごしていました。
  平成8年8月,突然病魔に襲われました。急性骨髄性白血病でした。
  平成10年1月元旦,今度は脳腫瘍で入院。開頭手術を受け,左半身が不随になりましたが,奇跡的に回復,現在,後遺障害は残っていません。ただ,入院中に白血病が再発,さらに退院後,今度は両眼の視力を失いました。
  その後,多くの人たちの支援により,経営コンサルタントとして仕事を再開しましたが,昨年1月より,再び白血病が再発,6カ月間の入院。今に至っています。

■変化が常態の時代 〜一寸先は?〜
  バブルが崩壊した1990年には,政治,経済の世界でも大きな変動がありました。
  湾岸戦争,ベルリンの壁崩壊,ソ連邦の消滅,東欧の社会主義政権の崩壊,天安門事件・・・。
  そして,グローバルキャピタリズム,グローバルコンペティション,グローバルスタンダードの時代となりました。右肩上がりの終焉からデフレ時代を向かえ,行き先不透明な状態が続いています。
  ホンダの創業から成長期,本田宗一郎氏から経営を任されていた藤沢武夫さんは,「松明を自分で持て!」と社員に語っていました。他人が掲げた松明の後ろをついていくのは安心なようですが,いつ火が消えるかわかりません。
変化の時代には,変化の戦闘に立ち,変化の中から機会を見いだし,変化に適応していくことが求められます。
ダーウィンは,「生き残る種とは,最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは,変化にもっともよく適応したものである。」と言っています。
この変化への適用力を高める鍵が「松明を自分の手で持つ」ことではないでしょうか。

■経営力の源泉 〜思考は現実化する〜
  「松明」とは,言い換えると,「想い」のことです。成功哲学の世界では,「思考は現実化する」と言われていますがいかがなものでしょうか。
  経営の神様と言われた松下幸之助氏が,若手経営者を集めての勉強会で,「ダム式経営」というお話をされたことがあったそうです。景気の影響を受けないような安定した経営の重要性を説かれたそうです。お話が終わったとき,聴講者の一人から,「ダム式経営の大切さはわかりましたが,どうすればダム式経営ができるのでしょうか?」と質問が出ました。
  松下さんは,「私にもよくわかりませんが,先ずダム式経営をやろうと思うことでしょうな。」と答えられたそうです。その回答に,会場からは,失笑がもれたそうです。
  思うだけで実現するなら苦労はない・・・,というのが普通かもしれません。
  その時,末席で聞いていた一人の経営者が,「そうか!わかった!」「想うことなんだ!想わないかぎり何も変わらない!」と心を打たれました。稲盛和夫という経営者でした。
  後に世界の京セラ,KDDIのトップとして知られるようになるずっと以前のことです。
  確かに,ただ,思うというレベルでは,物事は成就しません。思いが,思想,想念となり,信念化して初めて,大きなエネルギーとなっていくのだと思います。

さて,思考を現実化するために,皆さんにやっていただきたいことがあります。
次の質問に対して,皆さんの答えを書いて下さい。
@あなたの顧客は誰か?
Aあなたのコアコンピタンスは何か?
B自分の夢を熱く語れますか?

あなた自信が夢を実現すると,顧客はどう広がるだろうか,どんな能力を磨いていくことが必要か,などと想いを巡らせて見て下さい。
そのことが自分の想いを本物,信念にまで高めていくことに役立ちます。
次に,自分の事業(仕事)の貢献価値は何かについて考えてみて下さい。
@誰に対して,どんな貢献をしているのか?
『人間は自分のやっていることの意義や価値,使命を感じるとき,意欲的になり,創造性が喚起される。」
これは,アメリカの著名なコンサルタントのケビン・フライバーグの言葉ですが,非常に重要な観点ではないでしょうか。

 しかし,想いで人を動かしていくには,想いが具体的な行動となり,そこに価値が生まれてこなければなりません。

■自分ブランドをつくる 〜一寸先を光に〜
  お客様を動かし,仕事に関わりあう人たちを動かすには,人を惹きつけるものをつくる必要があります。
  想いを実現するために,やりたいことが山のようにあっても,それに投入できる資源には限界があります。
  したがって,何に集中するかが成否を左右する鍵になります。
  そのポイントをいくつか述べさせていただきますと・・・,
  先ず,自分ができることにフォーカスすることです。
  長く闘病生活を続ける中で,失明したときには,「自殺」という想いが心をよぎったことさえありました。妻や子供,両親,素晴らしい友人たちが私を支えてくれなかったら,どうなっていたかわかりません。そんな時「本を書いたら」と何度もすすめてくれる人がいました。テープで録音しておくってくれたらいいから!と言ってくれました。
  それなら私にもできるかも・・・,と思い立ち,本の原稿の録音を始めました。
  そのうち,視覚障害者でも,パソコンに音声ソフトを組み込んで使えることを知りました。そして,私の心の中に,希望の光が生まれました。それが使えれば何かできるかもしれない。そして,パソコンを覚え,最終的には,原稿は,すべて自分で打ち込みました。そして,「一寸先は光」(廣済堂出版)を出版していただくことができました。それを契機に,セミナーなら担当できるのではと想いが広がり,次々と夢は大きくなっていきました。
  自分ができること,そして,まずは,小さなことから始めて,火種をつくっていくことが大切だと想います。成果の手ごたえが感じられないと,人は挫折しやすいものです。

 そして,変化に適応していくには,自分を磨き続けることです。
  ちょっと,自分に問いかけみて下さい。
  過去三週間をふり返って,
@学んだことにはどんなことがありますか。
A学んだことを仕事に適用して,成果に結びつけましたか。
B新たな価値を提供するために,何にトライしましたか。

 大切なことは学んだことを仕事に活かしているかどうかです。成果が上がり,手ごたえがあると,さらにやる気が高まってきます。そして続けることです。

 米国のプロバスケットボール界でスーパースターであったマイケル・ジョーダンは,高校生の頃,身長が170センチくらいで,全米代表に選ばれず,悩んでいたそうです。母親に相談すると,「毎晩,寝る前に,靴の中に塩を塗って寝なさい。」と言われました。そのことを忠実に実行した彼の身長は,翌年の夏には,190センチを超えたそうです。どんなことでも,先ずチャレンジしてみる。しかも全力で取り組むというのが彼の信条だそうです。それが,奇跡のような実現となることがあるかもしれません。

■おわりに
  私たちが,普段,何気なく使っている言葉には,大きな力があります。ちょっとした言葉に勇気付けられたり,ちょっとした一言に傷ついたりという経験は,誰しもお持ちではないかと想います。
  繰り返し使っている言葉は,潜在意識にも刷り込まれ,その人の考え方や行動にも大きな影響を与えるそうです。
  人を勇気づける言葉,自分を積極的,肯定的にさせてくれる言葉を使っていきたいものです。

 ただ,人間,一人でできることには限界があります。
  成功者と言われるような人たちには,素晴らしい協力者に恵まれているという共通点があります。
  どのような人が,良き協力者に恵まれるのでしょうか?
  当たり前のことかもしれませんが,与えられていることの大きさに気づき,それに感謝の気持ちを持っている人。そして,周りの人に対して謙虚であり,素直な人。そういう人には,良き協力者が自然に集まってくるように想われます。

 闘病生活を始めるようになって以来,どれだけ多くの皆様から,暖かいお言葉,励まし,お力をいただいてきたかしれません。
  私自身,「感謝,素直,謙虚」の気持ちを大切に,これからも力強く歩んで生きたいと願っています。